アカミミガメの飼育方法
初めに
アカミミガメ(Red-eared slider)は、その魅力的な姿と比較的飼いやすい性質から、多くの人に愛さ
れているペットです。しかし、適切な飼育環境と管理が必要です。このガイドでは、アカミミガメの基
本情報から具体的な飼育方法までを詳しく説明します。
アカミミガメとは?
アカミミガメはアメリカ南部を原産とするミドリガメの一種で、耳の部分にある赤い模様が特徴です。
この模様がその名前の由来です。体長は20〜30cmに成長し、飼育環境次第では20年以上生きることも
あります。雑食性で、幼体は主に肉食ですが、成体になると植物性の餌も食べるようになります。
また肺呼吸であり、飼育には休憩場所である陸場を作る必要があります。
写真1 アカミミガメ全体写真
写真2 アカミミガメ赤い模様写真
飼育方法について
サイズ
: 成長することを見越して、大きめの水槽を用意します。
最低でも甲羅まで浸かるまで水深を深くしましょう。
甲羅を乾燥させることのできる陸場をつくる必要があります。
水槽の準備
水質管理
: 清潔な水を保つために、フィルターを設置します。定期的な水換えも重要です。
写真3 水槽写真
写真4 陸場の写真
写真5 きれいな水写真
写真6 フィルター写真
温度管理
: アカミミガメは変温動物であるため、水温を24〜28度に保つヒーターを使用します。
陸地部分(バスキングスポット)は30〜35度が適温です。
写真7 甲羅干し写真
写真8 ヒータ写真
飼育上の注意
:日本で飼育時には逃げ出さないような措置をとる必要があります。
例えば重い石を乗せる、ロープで固定するなどの方法があります。
写真9 網を乗せた写真屋内
写真10 網を乗せた写真野外
餌の与え方について
バランスの取れた食事
: 主に市販のカメ用餌を与え、時々生野菜や果物、昆虫、小魚などを
与えることを推奨します。成体にはカルシウムを含む餌を与えることが健康維持に役立ちます。
また個体ごとに餌の好みがあり、あるエサはあまり食べないなど個体差があるので注意しましょう。
餌の頻度
: 幼体には毎日、成体には2〜3日に一度餌を与えるのが一般的です。
写真11 餌1
写真12 餌2
写真13 成体捕食写真
写真14 幼体捕食写真
かめの健康管理について
定期的な健康チェック
: カメの外観や行動に変化がないかを日常的に観察します。
異常を感じた場合はすぐに獣医に相談します。
具体的には以下の異常があります。
甲羅の異常、食欲不振、呼吸の異常、目の異常、口の異常、脚の異常、皮膚の異常、行動
の変化、など
写真17 目の異常
適切な環境の提供
: 水質や温度の管理、十分な日光浴(UVBライトの使用)を確保することが重要です。
写真19 適切な設備の一例
アカミミガメを飼育する際には、以下の点に注意してください。
環境への影響
アカミミガメは非常に適応力が高く、在来種と競争して生息地を奪ったり、生
態系に悪影響を与えることがあります。
特に、日本固有のニホンイシガメやクサガメと競合し、これら在来種の生存を
脅かしています。
法的規制
現在「外来生物法」により、アカミミガメの輸入、飼育、販売が厳しく制限さ
れています。
特に、外来種の放流は外来生物法により罰せられる可能性があるので、十分に
注意してください。
管理と飼育
アカミミガメを野外に放流することは禁止されています。終生飼育の責任を持
つことが必要です。
冬眠について
最後に
2025年1月16日作成
かめのおうち
冬など気温が低くなる時期には、ヒーターを使って水温管理を行いましょう。
温度は20〜25℃の間が理想的です。また、カメは本来冬眠をしますが、冬眠に
は一定のリスクがあるため、推奨しません。冬眠させる場合は、十分な知識を
持って行いましょう。
写真20 冬眠中の写真
写真21 冬眠していない時の写真
写真15 甲羅の異常
写真16 呼吸の異常
写真18 甲羅の外傷